水の表面張力について誤っているのはどれか。
1: 単位はN/mである。
2: 毛管現象の要因である。
3: 分子の凝集力によって生じる。
4: 温度が高くなると小さくなる。
5: 液滴の表面積を大きくするように働く。
表面張力(水面張力,水表面張力)は、液体や固体が、表面をできるだけ小さくしようとする性質のことで、界面張力の一種である。定量的には単位面積当たりの表面自由エネルギーを表し、単位はmJ/m2または、 dyn/cm 、mN/mを用いる。表面張力は、温度が上がれば低くなる。これは温度が上がることで、分子の運動が活発となり、分子間の斥力となるからである。その他の要因による変化として、表面張力は不純物によっても影響を受ける。界面活性剤などの表面を活性化させる物質によって、極端に表面張力を減らすことも可能である。また、接している2つの相に電位差があると表面張力は変化する(電気毛管現象)。
表面張力が関係する現象として、以下の2つがある。
(濡れ)
濡れとは、固体と接する気体が液体で置き換えられる現象である。 表面の濡れやすさの程度は接触角θで表される。接触角とは、固体表面が液体及び気体と接触しているとき、この3相の接触する境界線において液体面が固体面と成す角度のことである。接触角は各界面の表面張力と関係があり、表面張力の大きい固体は濡れやすく、液体が付着したときの接触角が鋭角になる。反対に、表面張力の小さい固体は濡れにくく、接触角が鈍角になる。この関係を表すトマス・ヤングによる次の式をヤングの式という。
(毛管現象)
ヤングが表面張力の存在を明らかにする前から観察されていた現象が毛管現象/毛細管現象である。毛管現象とは、液体中に入れた細い管の内部で、液面が外側の自由表面より上昇(下降)する現象である。すなわち、この作用は液体が固体表面をよく濡らすほど強く、また隙間が狭いほど強い(上昇の場合)。
1:定量的には単位面積当たりの表面自由エネルギーを表し、単位はmJ/m2または、 dyn/cm 、mN/mを用いる。通常は、mN/mが用いられる。
2:毛管現象とは、液体中に入れた細い管の内部で、液面が外側の自由表面より上昇(下降)する現象である。
3:表面張力は、液体の表面を最小化する方向に作用する力を指す。 液体内部の分子は、周囲の他の分子との相互引きつけている。 この力を凝集力と呼ぶ。
4:表面張力は、温度が上がれば低くなる。これは温度が上がることで、分子の運動が活発となり、分子間の斥力となるからである。
5:正解。気体と液体の界面には表面張力が働き、可能であればどんどん表面積を小さくしようとする。同じ体積なら球が一番表面積が小さいので、液滴はできるだけ球体になろうとする。